はじめまして、設計グループの富松です。
先日、社員旅行で沖縄を訪れました。今回は設計の視点から、沖縄の建築について少しお話しします。
今回、沖縄を訪れた際に、学生時代の卒業論文テーマにした「名護市庁舎」を思い出しました。
名護市庁舎は、象設計集団が設計した1981年竣工の公共建築で、亜熱帯気候に根ざした庁舎として知られています。東南アジアの遺跡かと思うほど外観デザインが面白い市庁舎ですよね。
設計の特徴として、深い庇やピロティによる日射制御、建物内部を貫く自然通風の仕組みなど、建築の構成で環境を調整しようとする姿勢は、現在でいうパッシブデザインの先駆けと言えるものです。
また、名護市庁舎は建築を単なる行政施設ではなく、「街や集落の延長」として位置づけています。中庭や通路、ピロティが連続する構成により、用事の有無に関わらず人が行き交う余白を残しており、建築が人の活動を受け止める“器”であるという象設計集団の思想が色濃く表れています。
卒業論文作成時、一日中庁舎の芝生に座り、海風を感じながらPCを開いていましたが、とても心地良い時間を過ごしました。あの時間こそが、この場所における建築の思想として腑に落ちた瞬間だったなあと思います。
また、沖縄建築は琉球風水とも深く関わっていますが、象設計集団による名護市庁舎の設計にもその思想がとても上手に取り入れられています。気になる方は、ぜひ一度現地でこの建築を体感してみてください。
今後も、旅先で得た設計への気づきがあれば、また紹介していきたいと思います。
意匠デザイングループ













